Our Value
極薄膜をガラスに挟み込む「合わせガラス構造」
ペロブスカイト太陽電池は、液状の材料を用いて極めて薄い膜(約0.5μm)を形成することで、発電性能を持たせます。しかし、この膜は外気に触れることで劣化しやすく、建築用途に求められる長期的な耐久性の確保が課題となっています。
パナソニック ホールディングスでは、建築基準に適合した強度と厚みを持つガラスにペロブスカイト膜を直接形成し、その上からもう一枚のガラスで挟み込む「合わせガラス構造」を採用しています。さらに、耐久性を高めるための材料技術とガラス封止技術を組み合わせることで、建材との一体化を可能にし、高い信頼性を実現します。
これにより、太陽電池としての機能を維持しながら、ガラス建材としてそのまま使用できる長期耐久性の確保を目指しています。

発電量ゼロWだった窓壁が発電する場所へ変わる
建材一体型太陽電池の価値は「建材として建築に組み込める」という点、そのものにもあります。これまで発電とは無縁だった建築物の窓や壁・バルコニーなどが、電力を生み出す場所へと変わります。発電量ゼロWだった空間がエネルギーを生み出す場へと転換する、大きな可能性を秘めていると考えます。

業界トップクラスの発電性能
パナソニック ホールディングスが開発を進めるペロブスカイト太陽電池モジュールは、実用サイズで業界トップクラスの変換効率を達成しています。( 804㎠のペロブスカイトモジュールでの変換効率18.1% : 第三者機関による認証効率)
この値は、広く普及する結晶シリコン太陽電池に匹敵する変換効率です。

環境負荷の低い製造プロセス
従来の結晶シリコン太陽電池では、高純度シリコンの生成に1,000℃以上の高温が必要となり、製造時に多大なエネルギーを消費します。
一方、ペロブスカイト太陽電池は、100〜200℃程度の低温で製造可能なため、必要なエネルギーが大幅に抑えられます。
さらに、製造された太陽電池が製造時に消費したエネルギーを発電によって回収するのに掛かる時間を比較すると、ある仮説の元では結晶シリコン太陽電池では約2~3年かかるのに対し、ペロブスカイト太陽電池ではわずか3~4カ月で回収可能です(※2)。
このように、製造時のエネルギー効率に優れ、持続可能性の観点からも非常に有望な技術といえます。
※2 出典:T. Ibn-Mohammed et al., Renew. Sustain. Ener. Rev., 80 (2017) 1321-1344
